大井川鐡道の旅

こんにちは。

 

少し前、12月の上旬に大井川上流の秘境を訪ね、アプト式鉄道(南アルプス アプトライン)に乗る旅に行きました。

 

まず新幹線で掛川駅へ。
掛川は、現役時代に勤めていた会社の工場生産関係の会議で何度か来ましたが、個人的な旅行で訪れるのは初めてです。

 

駅を出て、申し込んだツアーのバスに乗り、一路 大井川に沿って上流へと遡ります。
大井川と言えば、江戸時代の東海道で険しい箱根山岳越え以上の難所だったという水量の多い大河という印象ですが、上流まで来ると次第に深い谷となって来ました。

 

これから向かうのは、南アルプスの谷を走る大井川鐡道 井川線の秘境です。
大井川鐵道井川線は、またの名を「南アルプスあぷとライン」とも言い、大井川水系のダム建設のために作られた歴史を持ち、今は奥大井の観光列車として運行しているそうです。
ハイライトは、接岨湖の左岸につき出た半島状の場所に立地する「奥大井湖上駅」で、秘境の駅として自然派の旅行者の間で人気が高い所です。

 

ジグザグの険しい山道をバスが登って着きました。
バスを降りて数分歩き、なるほど、これは聞いていたとおりの絶景感があります。

駅と言っても短いホームがあるだけで、駅舎は見当たりません。

 

が、奥に何か建物が見えます。
ズームして写すとロッジのようです。
あとから調べると、「レイク コテージ 奥大井」というそうです。例えば ここで一晩泊まるとすれば、なかなかの隔絶感でしょう。(泊まりませんが...)

 

遠景からの湖上駅を堪能したあと再びバスで、この時間のダイヤに沿ってアプト式電車が始発する長島ダム駅へ。

 

大井川鐡道のホームページによると、
南アルプスあぷとライン」の特徴は、90パーミルという日本一の急勾配を走りますが、それを可能とするために、ラック式鉄道の一種である「アプト式」という方法を使っています。アプト式機関車には「ラックホイールピニオン」という坂道専用の歯車が付いていて、線路の真ん中に敷設された「ラックレール」という歯形レールを噛み合わせて坂道を上り下りしますが、現在日本でこのアプト式列車に乗ることができるのは、大井川鐵道南アルプスあぷとラインだけ、とのことです。うん、レア感がある!

 

長島ダム駅のホームで待つこと数分、いよいよアプト式機関車がやって来ました。

 

この先の進行方向(下り)は急坂で、駅ホームの「アプトいちしろ駅」側の線路には、歯車敷設の軌道が始まっているのが見えます。

 

鮮やかな赤い車体は客車で、4両ほどの客車を引っ張って急坂を登り下りします。

 

のちほど訪れる新金谷駅に「ラックレール」の展示があったので、その写真をここに載せます。

 

アプト列車で谷川に沿ってゆっくり下ります。川岸はちょうど紅葉が美しい。

 

 

さて、アプト式列車に別れを告げて、千頭駅に来ました。
ここは、機関車トーマスの待機駅として、子ども達に大変人気がある駅だそうです。

 

このあと 少し離れた場所の 今夜の宿に入ります。

 

翌朝起きて、ホテルのテラスから見る大井川の景色です。
鐡道の赤い鉄橋が山の緑に綺麗に映える。 今日も快晴のようです。

 

今日の最初の訪問地は、蓬莱橋。以下、島田市のホームページの引用です。
大井川にかかる蓬莱橋(ほうらいばし)は、全長897.4メートル、通行幅2.4メートルの木造歩道橋で、現在も農道として利用されており、貴重な歴史的土地改良施設として県内外から多数の観光客が訪れています。平成9年12月30日には「世界一の長さを誇る木造歩道橋」としてイギリスのギネス社に認定されました。(以上、引用。)

 

蓬莱橋のちょうど中ほどです。それにしても長い!

 

この時期、大井川の水量は少なかったです。
橋の上からの大井川の流れの様子です。

 

なお、橋の対岸は牧之原大茶園へと続く散策路となっているそうです。

 

元来た川岸に戻りました。
イベント広場には、蓬莱橋が世界最長の木造橋と認定したギネス認定証のPLAQUEモニュメントがありました。

 

 

更に広場の奥に勝海舟像がありました。
勝海舟は、1869年から牧之原台地の開墾に従事した旧幕臣たちを物心両面で支えたと伝えられ、このことが現在の島田市の盛んなお茶の生産にも繋がっているそうです。
この功績をたたえて、牧之原大茶園を望める場所に勝海舟像を設置したとされています。

 

さて、旅は進みます。

 

アーバスで再び新金谷駅に来ました。大井川鐡道の大井川本線でSLに乗るためです。

 

ホームには既にSLが待機しています。  C10型 8号機ですね。

 

運転機関室。室内も真っ黒ですね。

 

客車の乗車口デッキ、レトロな雰囲気です。

 

車内は、天井の形と言い扇風機と言い、かなりレトロムードです。

 

 

アプト式トロッコ列車に乗ることと 湖上駅を見ることを目的に参加したツアーですが、小学生以来の何十年かぶりのSL乗車も付いており、蒸気機関車の煤のにおいも堪能?しました。

 

新金谷駅で撮った写真を何枚か載せておきます。

 

駅の改札。

 

駅員事務室が見えました。
旧式の運行管理パネルがなんとも言えず不思議な光景です。

 

駅舎外側の郵便ポストもレトロムードを醸し出しています。

 

山深い自然の秘境と復古調を満喫した旅となりました。
これからも事情が許す限り旅の機会を持ちたいものです。

 

ではまた。